「発酵食品」と「酵素」どちらも身体に良いと言われています。
どちらも「酵」って字がついています。
しかし、いったいおなじものなのか?ちがうものなのか?わかっていそうでわかりにくい。
今日は、発酵食品と酵素のお話です。
あっこ先生と凛ちゃんは、またまた話に夢中です。では、その内容をまとめてみましょう。
酵素とは
生物(私たち人間だけではなく、動物や植物、微生物に至るまで)の生命維持に必要な物質を生成したり、不要となった物質を排出したりといった化学反応つまり新陳代謝を促すたんぱく質なのです。
酵素には「反応特異性」という性質があり炭水化物(でんぷん)を消化するのはアミラーゼというように役割は1つです。ほぼ中性で働き、37℃前後で反応すると言われています。
人の体に関わる酵素とは
「消化酵素」人が食事をすると消化を助ける消化酵素です。でんぷんをブドウ糖に分解するアミラーゼ 脂肪を脂肪酸とグリセロールに分解するリパーゼ タンパク質をアミノ酸に分解するプロテアーゼなどがあります。
「代謝酵素」運動や呼吸、老廃物排出、新陳代謝など、消化酵素によって食べ物からできたエネルギーを活用する働きをします。代謝酵素は消化酵素と密接なつながりがあり、食事の不摂生、食べすぎ、消化に悪いものの摂りすぎなどで消化酵素が大量に使われると代謝に回る代謝酵素が減少します。一方、病気になると身体は回復するためにエネルギーが必要となり、つまり代謝酵素が多く使われるので消化酵素が減少します。風邪をひいて食欲がないとき、体力をつけるためにと思い無理に食べる必要はないということです。
「食物酵素」生野菜や果物、刺身。納豆や味噌などの発酵食品に含まれる食物酵素です。この食物酵素は消化を助け、体内の消化酵素の消費を節約してくれるので、代謝酵素の量を増やしたり、代謝酵素のサポートをします。凛ちゃんが作る酵素ドリンクはこれにあたりますね。
発酵食品とは
発酵食品として私たちの日常口にしているものは、味噌、チーズ、ヨーグルト、納豆、キムチ、へしこ、醤油、酢、塩こうじ、酒、ぬか漬、ワイン・・・たくさんありますね。
これらは、カビや酵母、細菌などの微生物などが、大豆や米、麦、魚、肉などに含まれるたんぱく質やでんぷんなどを分解し、うまみ成分であるアミノ酸やアルコール、乳酸などが生成しできた食品のことです。つまり、微生物の働きにより食物が変化をし、おいしさが増したり、栄養価や保存効果が高まったりします。 ⼀⽅、同じように微生物の働きによって食材に含まれる栄養素が分解されるのですが、私たちの体にとって害を与える硫化⽔素やアンモニアなどが生成されることを腐敗と呼んでいます。腐敗により、悪臭や有毒物質が生成されるうえに、おいしさは失われ、栄養価も低下、保存性はなくなります。
「腐敗」と「発酵」というのは、基本的に同じで食材が微生物によって分解されて生成される物質や効果が人体に有害なものである場合は「腐敗」、人体に有益なものである場合は「発酵」と呼んでいるのです。
発酵食品はその菌による働きで、腸内の善玉菌として働いたり、あるいは善玉菌の餌となり腸内環境を整えてくれます。
まとめ 発酵食品と酵素のちがい
発酵も酵素にも「酵」という字がついていますが、全く別の物でしたね。
「発酵は微生物によって別の食物に変化させる。酵素は私たちの生命維持のための代謝を促進する触媒の働きをするタンパク質である。」ということでした。
しかし、どちらも「物質を変化させる」という働きをして、私たちの美容や健康づくりに役割を果してくれています。
あっこ先生からのメッセージ
ホルモンの代謝にも酵素はかかわってくれています。
あなたも、発酵食品や食物酵素を毎日の食生活にぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。
市販の酵素ドリンクには食品衛生法で65℃、10分程度で加熱殺菌しなければ、飲料として販売できないという決まりがあるので、生きた酵素は存在しないんです。凛ちゃんのように手作りしても、胃の中の胃酸で死んでしまう酵素がほとんどかもしれません。しかし、ビタミンや食物繊維が豊富であったり、アミノ酸に分解されたり、腸内で善玉菌の餌となったりするので健康にはいいと言えますね。